72の場所

あれからいろいろあって地域おこし協力隊になった青年の物語 僕と僕の周りのすべて

今日は旅の日。旅にまつわるエトセトラ

本日5月16日は旅の日だという。

 

なんで5月16日が旅の日なの?

日本旅のペンクラブが1988年に制定したもので松尾芭蕉が「おくの細道」への旅立ちをしたのが今の暦の5月16日であったことから。

 

ところで「おくの細道」の「おく」ってなんのことか知っていますか?

 

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おくの細道のおく 外国語訳を見つつ

結論を言ってしまえばおくの細道というのは奥州(現在の東北、平泉)への細道ということである。しかし、おくの細道が奥州への細道ではなく、おくの細道であるのには松尾芭蕉が込めたニュアンスがあるのだろう。

それは本州の北端にある目的地=奥地、奥まった場所という意味もあるかもしれないし、俳句の世界、ひいては人間感性の奥深いところという比喩があるかもしれない。

 

俳句は海外でも「haiku」として親しまれており、当然、この紀行文の翻訳もされている。

各国の翻訳家たちはこの「おく」をどう訳したのだろうか。

 

英語訳だと

ドナルド・キーン氏 "The Narrow Road to Oku"

タイトルだけでは何なのかパッと分かんないけど「おく」の雰囲気を残すパターン

 

佐藤紘彰氏"The Narrow Road to the Interior"

奥の細道 土地名の奥って意味はなくなるけど奥地、俳句の深淵とかいった意味は含まれている。

 

湯浅信之氏 "Narrow Road to the Deep North"

北の奥地への細道

 

その他にも

"Basho's Narrow Road to a Far Province" 

芭蕉の遠い県への細い道

 

"Back Roads to Far Towns"

遠い町への田舎道 

 

というのが見つかった。

 

ちなみにスペイン語では"Sendas de Oku"というってスペ語の先生が言ってた。

 

また、Wiki先生でおくの細道の英訳を読むことができるぞ

Oku no Hosomichi - Wikipedia, the free encyclopedia

 

旅の語源 

電車も車もなかった時代。旅は自分の足で行うものであり、道中には危険も多く無事に帰ってこれるとは限らなかった。

旅には困難や心配はつきものであった。

そんなわけで英語のtravelはtroubleからきている。

ちなみに同じtroubleからフランス語ではtravail(仕事)に派生している。なんともフランスらしい。troubleは国によってそれぞれみたいだ。

(実際は、そもそもtroubleが古代フランス語のtravailからの派生である。)

 

そして時代は流れ、旅はそこまで危険なことでもないし、安全な旅を求める人も増えてきた。

そこである旅行会社が

「うちの旅は安全ですよ!」

「ちゃんと戻って(turn)来れますよ!」と宣伝したのがツアー(tour)だ。

 

日本語の旅の由来は「たどる日」「発つ日」「外辺」などさまざな説がありはっきりとした理由は定かではないが今日のような楽しいイメージではなく、やはり困難なものというイメージが強い。

漢字の旅は

「のぼり旗」を意味する方編と「人が多く連れ添う从」を意味する旁(つくり)からなっている。

合わせて「軍旗を持って戦場へと向かう」。やはり、帰ってくるということより出発するイメージのほうが強い。

 

最後に

スピッツ草野マサムネの名言を引用してこの記事は終わりとしておきます。

 

「旅には2つあると思うんです。風船型と凧型とね。僕は凧型ですね。行ってもやっぱり戻ってきてしまう。戻ることを考えてしまう」 

皆さんの旅はどちらですか?

 

終わりです。